5/20/2011

74ドラム

 こんなものだろう・・・とか、手探りで作業していた頃からある程度の経験を積んで、この工程を踏めば大丈夫という自分なりの法則が出来てくるほど、予期せぬトラブルが起こるといわゆるドツボというものにドップリはまってしまう事が旧車を相手にしていると少なくありません。

 こんなものではないという事は自分の経験が深ければ深いほど分かっているので、その逃げ道は経験を積むほどに狭くなっていき、なかなかやっかいなのですが犯人を摘発した時の達成感が格別でもあり、やめられない理由でもあるような・・・

 今回は74ドラムのお話。

 当店で定めるオーバーホールの手順を踏み、組み上げ後→テストラン。  どうにもレバーのタッチがスポンジーなのです。

 純正のドラムシェル+バッキングプレートの組み合わせ+オーバーホール・・・あれこれと原因を探しつつ何をやっても改善されず。  お手上げだけは絶対に嫌なのでドラムとにらめっこ・・・

 どうにもレバータッチがしっくり来ないのでドラムを凝視しながらレバーを何度も握ってみるとほんの少しですがドラムシェルが変形しているように見えます。 懐疑的な眼差しを向けるHIDEくんを無視して分解・計測。  まんまとペラッペラで手持ちのドラムシェルへ交換したらバッチリ、スプリンガーがフルボトムするほどの効きになりました。

 オーバーホール時に見落としていた私が悪いのですが、こんなケースもあるんだというお話でした。  同業者の方がドツボにはまらない手助けになればと思ったので書いてみました。

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